社長の右腕さん 新しい店ばっかり見てへんか?―守るんは常連の名前やで

大手外食の会社が、26年度は客数も客単価もプラスやった、とフードリンクニュースの見出しで目に留まった。
大きい会社の決算の話やと閉じたら、もったいないで。
飲食は、人の胃袋の取り合いや。
どこかの店の客数が増えたら、どこかの店の客数が減ってる。
ほな、うちの30席から減ってるんは誰や。
「最近、近くにできた店に客取られてるな…」
社長がこうこぼした夜、右腕のあんたは何も言えんかったんちゃう?
その気持ち、わかるで。
けど実は、新しい店に行ってまうお客さんは全員ちゃうんやで。
競合ができて減るんは、便利やから来てたお客さん。
居酒屋で言うなら
帰り道にあるから寄ってた人と、
あんたの顔を見に寄ってた人の違いや。
後ろの人はそう簡単には離れへん。
打つ手は値下げやなくその関係を確かめること。
わても店長してた頃、売上が落ちたらつい外のせいにしたなる日はあったんよ。
けど、答えはいつも店の内側にあった。
今日は店全体が見える右腕になるための目のつけどころ、3つ置いとくで。
①落ちへんお客さんを名前で出して
減った数より先に残ってくれてる人の顔を見るんや。
最低二月に一回の常連さんの上位20%で十分。
「カウンター端の佐藤さん、月3回は来てくれてはるな」
入店された時に顔と名前が一致する人を思い浮かべるだけでええ。
名前が出る人数がそのまま店の底力やて知ってはった?
②来てくれた日に前回より一歩近づいてみる
関係を深めるんは、特別なサービスやなく、いつもの一言。
「最近、お仕事忙しいんですか?」
「今日の白子、さっき下ごしらえしたとこなんで、熱燗と合いますよ」
ここは一人やとつまずきやすいとこで、つい「向かいの店、行きました?」て探りを入れてまうんよ。
競合の話は一切せんでええ。
しばらく顔を見てへん人には、社長に頼んで電話を1本、電話代10円。
あの見出しをうちの店に置き換えたら、大きい店が客数を取りに来る時代に、うちが守るんは名前のある客数や。
③違う時間の違う来る理由を1つ出して
同じ時間に同じ使い方で張り合うたら、体力のある側が勝つ。
平日の早い時間に二人でさっと一杯、のように、時間と人数を変えて来る理由を1つ作る。
割引券を配るより「いつものこれ 2人で分けやすいサイズにしときました」の一手間のほうが残る。
思いついたら1つだけ出してみ。
その1つが、あんたが店全体を見始めた証拠になるんやで。
基本は新しい店と値段で張り合うことやなく、来てくれてる人との関係を確かめることや。
接触回数が増えるほど、また行く理由も生まれるんやで。
競合ができても来てくれるお客さん、何人の名前が出る?
大きい店の数字が伸びたいう話はこれからも続くやろ。
けど、その数字の向こうにおるんは、一人ひとりのお客さんなんやで。
今日、顔と名前が一致する常連さん1人に「最近どうですか?」て声をかけるとこからや。
常連さんの名前を思い浮かべて手が止まったら、DMかプロフィールのリンクからその場面ごと話してくれてええ。一緒に数えますで。
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