平均客単価を見るほどお客は見えへん―伝票は3つの山に分けや

新規の客を常連に変える、飲食店向けの「CRM・会員証アプリ」入門セミナーが11月11日にある、とこんな見出しが出てた。
アプリの話やと流したらあかんで。
これ、客の買い方を見て次の一手を決める、いう話や。
けど夫婦で回す20席の居酒屋には、その買い方の記録がもう毎晩溜まってる。
レジ横の伝票の束や。
「うちは客単価3,500円くらいやし、まあこんなもんやろ」
その気持ち、わかるで。
けど実は、3,500円払うて帰るお客さんなんか、ほとんどおらへんねん。
カウンターでさっと飲む一人さんと、テーブルでゆっくり食べる4人組を足して割ったら、たまたまその数字になっただけや。
平均の背丈で服を作っても、誰の体にも合わへんのと同じやで。
売上が横ばいなんは、客の懐が寂しいからやなく、どの客に何が届いてへんかが見えてへんからや。
わても坊主の頃、とことんお客さんと接することで、このことがわかってきたんよ。
伝票も、手でめくった枚数だけ客の顔を浮かべるんや。
今夜、伝票の束からお客さんへの提案ポイントを3つ渡すから、仕込みの合間に見いといてや。
①伝票を、金額で3つの山に分けて
平均の数字を眺めてても、誰の顔も出てこえへん。
閉店後のカウンターに、安い山・真ん中の山・高い山を作るだけでええ。
「安い山、ほとんどカウンターの一人さんやな」
「高い山は、テーブルの4人組ばっかりや」
目安は伝票50枚、それだけで山の形は見えてくるで。
②一番大きい山の客が、頼んでへん物を見つけて
山ができたら、一番大きい山の伝票だけ並べて、載ってへん品を探すんや。
「一人さん、締めの一品ほとんど頼んでへんな」
「2杯目からは、ずっとビールだけやん」
頼んでへんのは要らんからやなく、勧められてへんか、知られてへんかのどっちかや。
ここは自分の店やと見慣れすぎて、一人やと「そらそうやろ」で素通りしやすいとこやねん。
あのセミナーの話をうちの店に置き換えたら、アプリが溜めてくれる買い方の偏りを
伝票の束で先に見つけるいうことや。
③その山の客に、組み合わせを1つ届けて
見つけた穴は、値上げやなく組み合わせで埋めるんや。
一人さんの本音は「締めまで欲しいけど、一品頼むほどは要らん」やったりするんちゃう?
「あと300円で、小さいおにぎりと味噌汁付けれますよ」
「この魚に合うお酒あるんですけど、いかがすか?」
「一人さん用のちょい締め、今日まだ出せますよ」
大将が焼き場から手を離されへん日は、カウンターに小さい札を1枚立てとくだけでも、アルバイトの子が指さして勧められるで。
基本は、平均の客単価を上げようとすることやなく、伝票の山ごとに客の顔を見て、足らん一品届けることや。
あんたの店の伝票、金額で分けたらどんな山になりまっか?
会員証アプリも、これから個人店に広がっていく便利な道具やと思う。
けど道具を入れてからお客を見始めたら、入れるまでの間は何も見えへんままや。
伝票の束1つあったら、今夜からもう始められるで。
データは難しいもんやない。店のクセを教えてくれる味方や。
今夜の閉店後、ママと二人でカウンターに伝票を3つの山に並べて、一番大きい山に足らん一品を1つだけ指さしてみてや。
その一品が決まったら、明日の一組目から届けたらええ。
山に分けたけど何を届けるか迷たら、その山の写真を1枚送ってくれてええ
足らん一品一緒に探しましょか。
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